植物は動けないから、自分の身を守って種族の保存をするために様々な形で進化してきました。サボテンは針だけでなく、水が無くても生きれるようになって、強力な生命力を獲得しました。その成分を食べると人の腸内環境にも良かったことが分かりました。植物の持つ化学成分をファイトケミカルスと言います。Phyto Chemicals。闘うファイトじゃないですよ。植物と言う意味。
こういう成分はまだまだあと何万種類あるか分からないと言われて、日夜また新しい成分が発見されています。
今回はサボテンから発見。
↓↓
中部大学食品栄養科学科(愛知県春日井市)の田中守准教授らは、食用のウチワサボテンを継続的に摂取すると整腸作用により腸内環境が改善され、免疫機能も高まることが動物を使った実験で確認できたと発表した。
南米などで野菜として食べられているウチワサボテンの小型種「ノパレア・コケニリフェラ」のパウダーを5%または10%混ぜた飼料を28日間、マウスに与えた。
するとサボテンを摂取しなかったマウスに比べ、盲腸内容物の水素イオン濃度指数が低下するなど、整腸作用が認められたという。
また、腸内から分泌され糞便(ふんべん)中に排泄(はいせつ)されたムチンの量が増えた。
ムチンは腸の表面を覆う粘膜層を構成する主成分で、ウイルスや細菌などの侵入を防ぐ「バリアー」のような役割を担っていて、腸内環境の改善がみられたという。
ウイルスや細菌などの異物を認識し、排除するために働く血清中の免疫グロブリンが時間の経過とともに増加し、全身の免疫機能が活性化する作用を持つことも明らかになった。
これまでの研究で、サボテンの抗酸化作用や血糖値の調整作用は知られていたが、腸のバリアー機能や免疫系への影響を時間軸で詳細に検討した報告は初めてという。研究の成果は国際的な医療学術誌「Drug Discoveries&Therapeutics」に掲載された。
サボテンについては、国連食糧農業機関が2017年に「食料安全保障問題の解決に貢献しうる」との見解を示している。
サボテンはその用途の広さ、環境ストレスへの耐性、栽培の容易さなど多くの強みがあり、未知の可能性を秘めているという。
サボテンは栄養面では、ミネラルやベータカロテン、食物繊維が豊富。ネバネバとした食感で酸味がある。
今後は食品開発や健康促進の分野での活用、地域ブランドの強化に期待がかかる。田中准教授は「サボテンの新たな魅力が科学的に裏付けられ、『サボテンを日本の食卓に』という私たちの目標に向かって大きな一歩を踏み出すことができた」と話す。
コメント