「寺川先生、こんにちは。今度女性を一人診ていただきたいのですが、予約取れますか？」
と連絡がきた。
で、当日、「すみません。空港からの道が混んでて少し遅れます。」
空港？あちら方面の人だったかな？
と来院されたら、かなりの美人さん。しかし、睡眠不足と肝臓腎臓が弱い顔してある。
カルテに記入していただくとなんと、東京から来たという。
「あなた、東京から来たの？」
「はい、よろしくお願いします。どこに行っても治らなくて、博多に良い先生がいると、このMさんから聞いて参りました。このあと18時の飛行機で帰ります。」
「は？１４時に到着して１８時の飛行機で帰るの？それはまた弾丸な。」
「はい、夜２２時から仕事入れてるもので。」
「２２時から？お忙しいことで。夜のお仕事？」
「はい、夜もしてます。」
「住所から見ると、銀座に近いけど、銀座の夜の蝶？」
「蝶かどうかはわかりませんけど、そうです（笑）。」
「で、昼も働いてんの？」
「はい。美容サロン開店資金を作らないといけませんので。」
「あぁ～、そりゃ治らんわ。睡眠不足は回復時間不足だよ？」
「やはりそうですか…。」
「で、どこがどうしたんですか？」
「首が痛くて眠れなくて、首上下向くと痛くって、左人差し指が痺れて震えるんですよね。腕も全体痛くって、どこに行っても治らないんです。」
「じゃ、首を上下向いて痛むところを指差してください。」
「上向くと右肩の肩甲骨の上側です。下向くと首の一番上と頭の境目です。」
「はいはい、わかりました。その痛みの取り方を教えますね。」
「え？すぐ取れるんですか？」
「はいはい、大丈夫です。やることは簡単ですよ。」
「自分で治せるんですか？」
「そうですよ。そうじゃないと通院できないんだから、覚えて帰ってね。まずは・・・・。」
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