足の小指の中足骨を骨折して、手術した女性が来院。
靴を履くときによろけて、荷物を持ったまま耐えたら折れたらしい。
その時は特に痛くもなかったらしい。不思議だ。
痛くはないのに、あまりに腫れが引かないので、病院へ行くと、ポッキリ!
レントゲン見せてもらったが、捻じれて折れてるから先端が尖ってました。
先端が尖った骨折は危険ですからね。
皮膚を突き破って開放骨折になるし、そのままくっ付いてしまうと尖った先端があるままなので、周囲の組織を傷つけるかもしれませんからね。
その方には、お医者さんも、さぞかし驚いたでしょうね。
普通なら痛くてたまらないのに、痛がらないんだから。
その場で即座に入院して翌日手術になったとか。
チタンプレートを入れて、ネジ止めしてあった。
私が診たときは、手術後2か月して。
まだ足がかなり浮腫んでた。
「全然腫れが引かないんですよ。」
「だって、ここ、触ったらプレートの形が分かりますもん。この膨らみが内側から皮膚を圧迫してるから、その部分は流れが悪くなるから水分が抜けないんですよ。」
上から見ても分かるくらいに、足の甲の小指の部分がポコッと出っ張ってる。これがプレート。
優しく入念に触るとネジも分かる。
ただ、切開痕がケロイドになってるから、皮膚が硬くなったものとは間違い易いから、会員諸君は、こういうことに遭遇しても間違わないことですよ。
「動かしてますか?」
「動かすように言われてるからやってるんですけどねえ。」
「動かしても浮腫みが引かないんじゃ、このプレート抜いてもらった方がいいでしょうね。」
「やはりそうですか?でも、病院では、一生このままで問題ないと言われるんですよね。また切りたくもないし。」
「そう言われるでしょうね。普通ならこれで良いんですけど、なにせここ、皮膚が薄いところだから、靴に当たって痛くないですか?」
「痛いんですよ。」
「その余計な出っ張りが靴に擦れるから痛いし、腫れが引かないんだと思いますよ。」
「抜いてもらったがいいですかね?」
「左右比べて違和感があるなら。自分が痛くても腫れが引かなくてもいいのなら、そのままでいいでしょうけど。」
「すぐにしてもらったがいいんですかね?何年かしたら抜けなくなるんですかね?融合してしまったりとか。」
「いや、それは無いですよ。チタンだから、何年後でも、いつでも抜いてもらえますよ。当面我慢できるんなら、決心決まった時で良いんじゃないですか?」
骨折の手術すると、骨を真っ直ぐにつなぐためにプレートを入れられます。
本人の違和感や痛みや弊害がなければ一生そのままで全然構いません。
以前、「手術で異物を入れたままにしておくと、ガンとかなりやすくならないですか?」と心配されて聞かれたことがあったけど、今はチタンプレートですからサビたりしないので、免疫力が低下することも無いから安全ですからね。
お腹の手術を数十年前にして、その後別の病気で手術するときに、昔の手術の時のガーゼが出てきたりもするときがあるそうだから、チタンなんぞは全然大丈夫(笑)。昔の手術も人間の体も、スゴイわ・・・。
今のプレートは薄型だから、ほとんどそのままでいいけど、時々、こうして、皮膚が膨らんでしまって擦れて痛む人がいます。
あと、プレートを骨に止めるピンが長すぎて骨を貫通して骨の周囲の組織に引っかかって動かせなくなることもあります。
その時は、ピンを抜いてもらうほうが良いですね。
抜くときにまた切開するから、面倒ですからね。
担当医の先生に相談してみてくださいね。