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膝裏が痛くて走れないマラソンランナー

 今日来られた選手が、聴覚障碍者マラソンの選手で、先日転倒して、膝を打ち、膝の裏側が痛んで走れなくなった方でした。
 耳が不自由なので、全てスマホに文を打ち込んで会話します。
 すると、「後十字靭帯を損傷したと診断されました。」とのこと。
 ん~~~~?
 マラソンの転倒で、膝を打って、後十字靭帯の損傷????
 ありえないけどな~。
 そこで、後十字靭帯の断裂検査をすると、確かに逆側に比べて動揺が大きい。
 しかし、この程度で、そんな言うほど大げさな痛みはしないはず。
 しかも、膝内部を動かす動揺検査しても、顔をしかめっ面しない。
 痛いと人は顔に出ますからね。
 「確かに後十字靭帯の動揺は大きいね。確かに少し靭帯は伸びたのかもな?でも、こう押してみても痛くはないんでしょ? これでそんなに痛むはずはないけどな。ホントに後十字靭帯って?」
 「はい、膝押さえても痛くはありません。歩いても痛くありません。走るときだけ痛みます。病院では後十字靭帯損傷だと言われました。」
 「靭帯???そうかな~~~???ちょいと、どこが痛むか自分で痛いところを揉んでみて。」
 「ここです。」
 「あ~まぁ確かにその奥には後十字靭帯はあるね。けどさ、この辺は?」
 「ウグァァ!!!!」
 「やっぱりね。この筋肉をこうして揉んだら痛いでしょ?」
 「はい!痛い!!」
 「これ、良かったね。靭帯じゃないよ。」
 「けど、病院では靭帯だと。」
 「いやいや、多分大丈夫よ。すぐ治るよ。じゃ、今から治し方教えるね。」
  靭帯が切れたら、歩くとグラグラする。炎症が治まるまでは痛くて歩けない。
 この方は、損傷としか言われてないから、伸びたか切れかけたと言われたわけね。
 スポーツ傷害アドバイザー諸君は、こういうことはよくあることを覚えておいてね。
 病院では、手術できないなら、痛み止め打つくらいしかできないから、この方は、「様子見てください。」としか言われないわけね。
 痛いから治しに来てるのにね。
 しかもこれ、靭帯の痛みじゃないし(笑)。
 「これはね、転倒した衝撃で痛くなったかもだけど、その時に急激に筋収縮して、膝裏の筋肉が損傷したと思うよ。」
 この方は、膝を曲げてもらった状態で固定して、私が膝を伸ばそうと踵を引っ張ると激痛がします。
 全然膝を曲げる力が無くなっています。
 靭帯損傷なら、痛いけどチカラは入る。
 だから、筋損傷だという事が分かるね。
 「じゃ、ここを押さえるから、もう一回曲げるチカラを入れてみて。」
 「ホホ?????痛みが少し減りました!」
 「でしょ?はいはい。これは間違いないね。膝窩筋だわ。良かったよ、靭帯じゃなくて。では、ここを押さえて、足首グルグル回してごらん。」
 グルグルグルグルグルグルグルグル・・・・・。
 「はい、もう一回、自分で、痛い部分を揉んでごらん。さっき痛かったでしょ?」
 「あ???揉んでも痛みが減りました!」
 「でしょ?じゃ、もう一回。」
 スポーツ傷害アドバイザー諸君はこのテクニックは分かるね?
 膝痛テクニックの回を視聴して。あれです。
 靭帯損傷と医師が診断した膝痛にもこうして応用が利くわけね。
 「でも、まだ結構痛いです。」
 「そっか、じゃ1ケ所じゃないんだな。まだ痛いのはどこ?」
 「この辺かな?いや、この辺か・・・・・?」
 自分でもよくわからないようです。
 「じゃもう一回、チカラ診るよ。はいチカラ入れて頑張れ!」
 「あぁ痛っ!!まだ痛いです。」
 「どの辺?」
 「この辺が・・・。」
 「お?さっきとは違う部分を言い出したね。という事はさっきの痛みは治ったわけだな。」
 「さっきとは違うところが痛いです。」
 「OK、OK、これは、ハムストリングだわ。ここが痛いだろ?」
 「グアァァァ!!」
 「やっぱりね。ハムストリングも痛めてるな。」
 私は、大腿部裏側の真ん中辺りを揉んだわけ。するとやっぱりここを痛がる。
 これは、ハムストリングの大腿二頭筋が緊張して硬くなり、その先端にある、腱を引っ張った時に起こる膝裏の痛みね。
 スポーツ傷害アドバイザー諸君は分かってると思うけど、揉んだら痛い場合、マッサージなんかじゃ治らんからね。除痛テクニックを使うことね。
 「分かったよ。メインの原因が。じゃ、ここからこんな風に押さえて動かしてごらん。」
 「はい。・・・・・・・・・・・・。」
 「はい!OK、踵引っ張るよ。チカラ入れてね。」
 「ウオウオウオウオウオ!!!!ほとんど痛くない!!けど、今度はここが。」
 「今度は内側か。半腱半膜様筋だな。」
 と治し方を教えると、踵を引っ張っても痛そうな顔をしなくなり、親指と人差し指でOKサインして顔がニッコニコしてます。
 「やっぱりハムストリングも原因だったね。じゃ、もう一回やってごらん。」
 「・・・・・・・・・・。」
 「OK、じゃ、立って、痛み確認してごらん。」
 「ウオオオオ!!!!!OK!OK!OK!」
 「じゃ、廊下に出て走ってきてごらん。」
 「ウオオオオオオオオオオ~~~~~~OK!OK!OK!OK!OK!」
 一発で痛みが消えてしまったようで、ニッコニコしてます。
 「いつから走っていいですか?」
 「いつからって、今自分で治したじゃん?今日から走っていいよ。また痛んだら、またそうやって自分で治せばすぐ治るからね。」
 「ありがとうございました~~~~!!!」
 スポーツ傷害アドバイザーのみんなはこういう例もあることを覚えておいてね。
 後十字靭帯損傷と診断されても、こういうこともあるんだな・・・とね。

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