こないだ、ZOOM治療を依頼された方。
犬が散歩中に突然走り出し、引っ張られて肩を損傷。
１週間も痛みで全く動けないという。
病院に行くと、レントゲン撮影だけで、「骨には異状ないので、様子見てください。痛み止め注射は打っておきますね。」
しかし、数日経ってもまったく痛みが引かない！！
痛くて眠れない。注射も効かないので、飲み薬も効かない！
動かすと激痛！
とのこと。
それで、知り合いにこの肩の痛みのことを話すと私を紹介されたという。
「犬に引っ張られてから肩が痛くって。」
「ちょっと動かしてもらえますか？どの程度動きますか？」
「これくらいは・・・・。」
・・・って！おへその前までも持ち上がりません！こりゃひどい！
「それだけ？全く動いてないじゃないですか？？」
「はい、これ以上は上に上がりません！」
「マジで？それ、脱臼してるんじゃないですか？」
「病院では異常なしと言われました。」
確かに見た感じでは脱臼はしてなさそうではある。
肩を脱臼すると、ポコッと関節に凹みができる。それはなさそう。
「異常なしでそんなに痛いわけないですからね。どこかに異常はありますよ。」
「そうですよね。けど・・・もう、どうしたらいいのかわからなくって。」
「そちら、近くに、ご家族はいませんか？」
「向こうに主人がいますので呼んできます。」
「ご主人さん、奥さんの肘先を押さえて、肩の中に腕の骨を差し込むように押し込んでグルグルと回してみせてください。」
「こうですか？」
「はい。脱臼してれば動かないし、脱臼してればそれでガクッとハマります。ハマればすぐに動きます。ちょっと押し込んでグルグル動かして見せてください。」
おや？ちゃんと動いてる、こりゃ確かに脱臼ではなさそう。
「脱臼はしてないようですね。ではご主人、腕を持ち上げてどのくらいまで上がるか見せてください。」
「ぎゃぁ～～～痛い痛い痛い止めて！！」
「そのくらい挙げただけで痛いんですか？」
「はい、痛いです！」
「ふぅ～む・・・・。それ、恐らく鍵盤が切れてますね。レントゲンでは分からないのに、なぜその病院はレントゲンだけで終わらせたんですかね？」
「え？切れてるんですか？」
「はい、たぶん。なので、MRIを撮影してくれる病院で検査してもらってきてください。肩専門の病院が良いですよ。」
「分かりました。」
数日後。
「診断書もらってきました。」
「あ、鍵盤断裂と書かれてますね。それは手術したほうがいいですね。」
「はい。手術と言われましたが、３か月待たないと空きがないそうです。」
「３か月も？？そんなに辛抱できませんよね？どこか他の病院に行かれてみては？肩専門の先生が良いですよ。でも、まずはその病院に断り入れて。」
「はい、そうします。」
「その病院では痛み止めや薬は？」
「してもらいました。なので、今は痛みはないんです。」
なんと、最初の病院では痛み止め打っても全く効果なかったのに、次の病院では痛み止めが劇的に効いてるという。
これが医師の腕の差か。
その病院は肩専門だそうなので、医師が熟知してるんでしょうね。
痛む場所や障害によって、薬剤選択や注射打つ場所が変わるんですね。これには経験と腕が必要。
次の病院ではその見立てがとても上手いんですね。
病院はどこも同じではないので、気を付けて選ばないと。
「痛みは無くなったんですね？動かせますか？」
「いえ。それは全然動きません。」
「そうですか。やはり手術したほうがいいでしょうね。」
「わかりました。色々とありがとうございました。」
「お大事に～。あ、お酒は飲むと炎症が取れないので痛みが取れませんよ。」
「え？最初の病院ではお酒は関係ないから飲んでもいいって言われたんですが・・・。」
「いやぁ～、私の経験則ではお酒飲む人は炎症取れにくいですよ。」
「分かりました。もう飲みません。」
「そうなさってください。」
しかし私は解せなかった。
MRI画像見たわけじゃないから何とも言えないけど、犬に引っ張られて鍵盤断裂するかなあの若さで。スポーツや店頭で腕が捻じれたのなら分かるが。
あの動きを見る限り、なんだか違和感があった。
ほんとに切れてるのかなぁ？しかしMRI診断では切れてると言われたわけだし・・・・。
ということで、１０日ほどして気になるから再連絡してみた。
「それが、もう全然痛くないんですよ。」
「あ？やっぱりですか？動かせますか？」
「動かしてはないですが、ちゃんと動くんですよね。」
やっぱりか！！切れてないなこりゃ。
「おめでとうございます！切れてないと思います。」
「え？じゃ手術はしなくてもいいですか？」
「よほど激しい炎症が起きてただけだったのかもしれませんね。その炎症が取れたので、痛みがなくなったんですね。断裂したかのごとく炎症が激しかっただけだと思います。多分酒のせいで。
次病院行ったときに、お医者さんに肩グルグル回して見せて、これだけ動くから切れてないですよね？痛みもなくなったし！と言ってください。」
「分かりました！また連絡します！」
多分、お酒。
酒は炎症を助長しますからね。
恐らく関節内に血液なんかが溜まって、切れたように見えただけかも。
激しく炎症してるから痛くて動かせなかった。
それが、さも鍵盤断裂のそっくりさんに見えてしまったんでしょうかね。
酒飲んでたから炎症が取れずに１週間も炎症引かなかったのかも。
こんな人もいらっしゃるんですね。
ゴッドハンドラインの皆さんも炎症ある時は酒飲まないでね。
酒は炎症を助長しますよ～♪