昔昔の弟子時代に来られた患者さんを思い出したシリーズ。
肩こりで来られてた60代女性の体験談。
肩こりで行きつけの鍼灸院があったらしいのですが、そこでの恐るべき体験を聞かしてもらった時の話。
いつも首にも打ってもらってるからと安心しきってたそうですが、ある瞬間に「ビリッ!」と全身に電気が流れたと思ったらもう両足が動かなくなってしまったそう。
そのまま救急車で運ばれて、下半身不随で入院。
3か月間両足は全く動かなかったそうです。
「もともと腕は良かった鍼灸師なのに、なんであの日だけあんなことになったのかは私も先生も分からないのよ。ビリッとっしたらもう全く足が動かなくなってねぇ。」
もちろん鍼灸の先生は平謝りできちんと保険や賠償はしてくれたそうですが、もうこのまま足が不自由になってしまうのか・・・・と毎日不安で仕方かったそうです。
しかし奇跡的に3ヶ月で動けるになられたそうで良かった。
もう少し鍼が深く入ってたら、一生車椅子だったそうです。
病院に入院しても、特別に治療法もなく、ただ3か月間寝てはリハビリを繰り返しただけだったとか。
何でも、その鍼灸の先生曰く、その日に限っていつもとは違う下からの角度から鍼を刺してみたとか。
より効果を上げてあげようと思われたんでしょうね。
首の骨は7本あって、真ん中から下の方は骨が重なって関節になってます。
その隙間を縫うように斜め下から鍼を打ったので、丁度鍼が入り込んで脊髄を傷つけたんだろうとのことでした。
いつもより深く入って先生もびっくりしたでしょうね。
でも、普通ならしないな。深く入れると効果的な気はするけど。
もう少し深ければ、その方の人生は一生台無しになるところだったそうです。
「もう怖くって鍼には行けませんから、カイロに来ることにしましたよ。」と言われてました。
鍼はとても面白い性質があって効果もありますが、場所や角度や深さを間違うとこうした事故にも起きるんだと、その時にその患者様から教わりました。
しかしホント、傷が浅くて、きれいに回復できてよかったと言われてましたね。
やはり、鍼も特別な打ち方はせずに古来の方法で打つのが一番安心なんでしょうね。